大きな音を立て転んだ海堂。
皆が、近づいてくる。
真っ先に駆けつけたのはもちろん乾。

「海堂!!・・・・・顔色が悪いな。立てるか?」
「ん・・・・?っと暗くなって・・・・」
貧血。
海堂がこんなに変な気分になるのもすべて貧血のせい。


海堂はそう思いたかった。


「・・・っわ!!せ、先輩何してんっすか?!おろしてください」
乾は、海堂をお姫様抱っこするとそのまま歩き出した。
海堂の言葉なんってぜんぜん聞いてない。
聞こうともしない。
「おろしてください」
抱えたままずっと歩く。
「せ、先輩!!!」
海堂が大声を出すと乾は海堂の唇に人差し指をつけた。
「しっ・・・・。そんなに、大声を出すとまた倒れるよ。だいたい、海堂あのとききちんと保健室で寝なかっただろう」
海堂は何もいうことがない。
「また、何故って顔をしてる。・・・・・部活に出てきたときさっきより顔色が悪かったんだよ。海堂は、頑張りやサンだから自分からは何も言ってこないと思って限界が来るのを待ってたんだよ」




それって、ひどいんじゃないだろうか?
と、いうよりずるい。
と海堂は思った。


「今日は、もう帰ったほうがいい。でも、今一人で帰らせるとまた危なそうだから送ってくよ」
乾の甘く優しい声が耳に響く。
「で、でも・・・・部活・・・・」
「手塚から許可は取ってあるから大丈夫だ」
「っす・・・・・・・・でも、そろそろおろしてくれませんか?」
乾たちはもう校門の近くまで来ていた。
「ああ、そうだな・・・・」
乾は海堂をおろすと海堂の荷物を持った。
「荷物・・・」
海堂が、自分の荷物を乾からもらおうとした。
「これくらい、させてくれ」






「・・・・・・っす」







海堂は、家に着くとすぐにベッドの中へ入った。





授業中の保健室。








自分のこの気持ちを認めたくないけど・・・・・・。
ぜってぇ認めたくないけど・・・・・・・認めてしまいそうだ。



あのとき、保健室に乾がいなかったら・・・・・・・・。
あのとき授業中じゃなかったら・・・・・・・・。
偶然が重なってなかったら・・・・・・・。



それでも・・・・・・・・・・・・。







海堂は乾を好きになっていたと思う。









授業中の保健室の独特なにおいにやられた。











yoshiyuki