「言葉の捕らえ方」
朝錬があり、授業があり、昼食があり、そして、また授業があり・・・・・。
毎日がこれの繰り返しだった。
放課後になると、千石は部室へ行こうと玄関にむかっていた。
廊下を悠々と歩いている千石を東方が呼び止める。
「千石、腕出して」
突然、学ランを脱がす東方。
「ま、まさか、東方、そんな・・・・ここ廊下だよ!?」
抵抗するのをうらはらに内心喜んでいた。
遠くでそれを見ていた南がやってくる。
「何バカなことしてるんだよ」
南は呆れるような眼差しで二人をみた。
なるべく脱がされている千石の体と東方の指使いをみないように。
「いや、千石腕怪我してるのに手当てしないんだ。だから、俺がしようと思って」
すでに、学ランを脱がせ終わった東方はさっそく、傷口の消毒を始めた。
なんで、怪我をしているのかというとなんでも、5限の体育です転んだらしい。
と、東方は流暢にそれを南に説明した。
「ばっ!!千石、おまえ怪我してんの!?」
消毒している、東方の腕をどかし、傷をみた。
たいしたことの無い傷だ。
「大丈夫だよー。こんなの擦り傷だから」
「まあ、擦り傷なら大丈夫か」
千石の腕を東方に返す。
「南も、千石も擦り傷は舐めてると痛いんだぞ」
東方は最後にバンソウコウを貼って、治療を終わらせた。
「じゃあ、東方舐めて」
東方の貼ったバンソウコウを剥ぐ、そして腕を東方の口元へ寄せた。
「舐めたら痛いってそういうことじゃなくって・・・」
「えっ、違うの?」
南が思わず聞き返す。
「み、南まで・・・。もう、この話はいいから、早く部室行こう」
東方は一人で歩いて行ってしまった。
遠くの方に傷だらけの亜久津を見つけた南は急いで亜久津の元へ走って行った。
誰もいなくなった、廊下で千石は、舌打ちをする。
「東方のけち・・・・・・」
さっきまで騒がしかった廊下はいつの間にかに、千石一人になっていた。
yoshiyuki