「ヌクモリ」
最近の亜久津は変だった。
言葉が少ないのはいつもだけどいつもにまして言葉が無くなったり。
タバコをくわえてると火を点けたにもかかわらずすぐ捨ててしまったりする。
南には健康にいいけど、そんな亜久津のどこかがおかしいみたいな。
「亜久津、今日弁当作ってきたんだけど」
いつものように昼食時には南が声を掛ける。
南が昼食を亜久津のために作ってくるのも日常茶飯事だ。
「ああ」
軽く返事を返すと、そのまま二人は屋上へと向かった。
「亜久津、眠いの?」
「あ?」
「手が止まってる」
そういうと亜久津は黙々と食べ始めた。
一言も話す隙無く黙々と。
最近、亜久津が変だ。
南は亜久津が変だと思った。
よく傷を作ってた亜久津がここ一週間傷無し。
タバコもさほど吸わない。
それが普通なんだけど、亜久津にとってのそれが普通ではなくって。
だから、どこか変だった。
亜久津が授業をサボってるぽかったので休み時間の間に屋上へ行ってみた。
「亜久津」
こっちの視線に気付いたのかチラッと南のほうを見て、また視線を元のほうに戻した。
「なに突っ立ってんだよ」
南は亜久津の雰囲気にやられていた。
「うん」
南は亜久津の隣へ行くとそっと座った。
「天気いいな」
こういう日は亜久津と一緒にサボりたくなる。
あったかくって、きれいで。
「眠くなってきたから俺も一緒にサボる」
眠いって言うのは口実で本当はどこかおかしい亜久津が気になっていた。
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