「舐めるキズ」





「おい・・・!おいってば・・・!!」
傷だらけの亜久津を見て南は亜久津のもとへ走った。
「あー?」






低重音の亜久津の声に、びくっと体を震わす。











「その、傷・・・・また!!」
だらだらと垂れ流している亜久津の血を拭き取る。
「こんなん、ほっとけば治んだよ」
亜久津はまるで自分の傷に興味がない。
「擦り傷舐めてると痛いめにあうぞ(東方の受け売りだけど)」
亜久津の腕をつかむ。
それを逆手にとられ、南は腕を捕まれる。
そして、壁ぎわへと誘導される。
亜久津の薄い唇を南へ押しつける。











それは、かすかな血の味と、鉄の匂いがした。








「あ、くつ・・ここ、学校・・・・ふっ・・・・ん!!」
抵抗する力が出ない。
「てめーの心配だけしてろ」
放課後ってこともあり、廊下には誰もいない。
上のボタンから外し始めあっと、いう間に学ランを脱がされていた。
「亜久津、それ以上はまじでダメ!!」
必死の抵抗。
亜久津から逃げようともがいていると、すっと南の腕に赤い線ができた。
無理に逃げようとして、亜久津の爪で引っ掻いてしまったのだ。
じわじわと血がにじみ出てくる。
「あっちゃー、やっちまった」
南は自分の傷口をみた。








「傷は舐めると痛いんだよな」








亜久津の顔が何かを企んでいる。
亜久津は南の怪我したほうの腕を引っ張った。
「ひっ!!」
ぞくっとするような快感が南を襲う。
ぴりっとくる痛みと舌の感触がなんとも言えなかった。
「痛いか?」
にやにやした顔で亜久津は南をみた。
「・・・・」
南の顔は真っ赤になっていた。
「じゃーな」
亜久津はそう言うとさっさと帰った。












南は真っ赤になった自分の顔が直るまでそこにうずくまっていた。











yoshiyuki