12月に入り雪がちらちらと降るようになった。
うっすらと敷かれた雪の絨毯は泥水と化して、とても綺麗とは言えなかった。
ある日、亜久津から甘い匂いがした。っと、いうよりも部屋全体に匂いが残っている。
また、モンブランでも食べたのだろうか。
疲れをとるのは甘いものが一番いいと思うけど、食べ過ぎはよくないと思う。
無意識のうちに亜久津をみていた。






「あ?」
じっと亜久津を見つめていたらしい。
その視線に気付いた亜久津がこっちを振り向いた。







「甘い匂いがする」
亜久津の背中に顔を埋める。
亜久津とモンブランの匂いがした。
「さっき食った」
食った・・・・それはやっぱりモンブランだろう。
「オレには?」
ないとは、思うけどさ。
「由紀が食った」
やっぱり・・・・・食べちゃったんだ・・・・。
とりあえず、ハラが減っていたので亜久津の家の台所を借りる。
手慣れた順序で準備する。
いますぐ食べれそうなおにぎりを作った。







「さむっ」
ぶるっと体を震わす。
ここまで、ストーブの熱はこないようだ。と、いうよりもストーブを点けていなかったような気がした 。
そんなことを考えていると、突然体が暖かくなった。
亜久津が南を包み込むように後ろから抱く。
亜久津の長い腕が南の体にまわった。
「風邪ひくな」
二人は、しばらくそのままだった。
それから、二人は亜久津の部屋へ戻る。
やはり、ストーブは点いていなかった。
ストーブが点くまで、二人でベッドへ潜り込んだ。
「この時期は朝とか寒いよな」
さっき作ったおにぎりをくわえる。
ふいに、亜久津の手が伸びる。南の頬についてるご飯つぶを取って自分の口へ入れた。
「ありがとう」
さっき点けたストーブが点いた。
少しずつ暖かい空気が部屋に広がった。
「ハラ減った」
亜久津が視線をおにぎりへ移す。
そして、南へ。
「これ食うか?」
食べかけのおにぎりを差し出す。
「ふん」
亜久津が南に顔を近付ける。
「亜、久津?」
「黙れ」
亜久津の低重音な声が響く。
綺麗な銀髪が南の顔にあたる。
南の体温が一気に上昇する。
亜久津は南の食べかけおにぎりを一気に食べ南の腕を引っ張りベッドへ押し倒す。
「ちょ、おい!!・・・・・んっ」
亜久津の唇が南の首に吸い付く。
「ハラ減った」
亜久津はそれだけ、言うと後は南の体の自由を奪うだけだった。










南の体の所々に赤いあざが残る。
疲れきって寝てしまった南を隣で見守る。
ふいに南が起きる。








「俺、寝てた?」









南は、寝ていた、と云よりも気絶していたというほうがあっていた。
「ああ、つーか、もっと寝てろ」
ぽんっと南の頭に手を乗せた。
「うん」
亜久津の隣で安心して眠る。
亜久津はそんな南をみてひそかに幸せを感じていた。







yoshiyuki